第8話タイトル「一歩前へ踏み出した」
補足説明
主人公の盛岡森子(もりおかもりこ)は三十路女性で会社をやめてニートに。
ゲーム内では林(はやし)という名の男性キャラクターで遊んでいます。
第8話前半パートのあらすじ・ネタバレ
今までのネト充のススメのストーリーまとめ
脱サラでニートになった盛岡森子はネトゲにドップリとハマった。
林というイケメンキャラを作りログインしたら、リリィという名の少女と仲良くなっちゃったのだ。
カンベ、ぽこたろう、ライラック等のネトゲ仲間も増えて、森子はニート生活を満喫。
まさに、ネト充!
ある日、現実世界でハプニング。なんとその桜井優太がリリィだったのだ。
森子は勿論その事を知らない。
さらにさらに、森子行き着けのコンビニバイトの藤本がネトゲ仲間のカンベだったー。
いやーネットは広大だわ。でも世間は狭いねー、狭い、狭い。
さらにさらにさらに、桜井はいろいろあって、林=森子だと確信していた。
桜井は森子にときめいてしまってもいる。
さあこれからどうなるのか、ネト充のススメ!はじまるよ~。
桜井は携帯の画面に映ったモリーの画像を見ていた。
もし、自分の考えすぎじゃなければ、このキャラをずっと前から知っていると思うのだった。
桜井は茶髪の男の子のキャラの事を思い出すと少し胸が苦しくなるのだった。
まだ今より若くて、今より元気がなかったあの頃の自分。そして桜井は昔の事を思い出す。
物心付いた頃から桜井の家の子だった。
本当の両親の事は全く知らない。
周りの人たちに髪色や年老いた育ての親をからかわれたりもした、幼少期は少し苦い思いもしたが、それから守り続けてくれた俺の両親は大事な大事な家族だった。
そんな家族と別れてから少し経った頃、俺とネトゲの話。
育ての親が亡くなってから数ヶ月、元居た家を引き払って、手ごろな部屋に引っ越した。
管理が行き届かないという理由もあるけれど…あの広い家は自分には寂しすぎた。
今日は金曜だし、夜になったら大人数のクエストを回したいなと桜井。
一人の方が落ち着く。しかし一人は寂しい。その点オンラインゲームは一人だけど孤独じゃない。
遠くにいる誰かと一緒に居られる。そんな空間が心地よくてたまらなかった。
ある日、桜井がゲームをやっていると、仲間がおはようと言い、また別の仲間がいってらっしゃいと言うのだった。
桜井はソレをみて、家みたいだなと思う。
そしてある時、ユキというキャラと出会ったのだった。
ユキは初心者で、いろいろ教えて欲しいといった。そして友達になって欲しいとも。
桜井は自分のキャラ(ハース)と自己紹介をする。
いつの間にか、やる気一杯の彼女を応援するのが楽しくなっていった。
桜井はユキと冒険をしているうちに、本当にゲームが好きなんだなと感じる。
ユキがゲームをするのは社会人だったので大抵、週末だった。
ある時、二人で話していた時にユキは本当は会社をやめたいと言う。
ハースは上司に相談しないのかと聞くと、難しいと答えるユキ。
そしてユキは何だかんだで、仕事を最後までやり切りたいと言うのだった。
必ず最後に前向きな事を言う彼女はハースを元気にしてくれるのだった。
その仕事を最後までやりきりたいと聞いてからゲーム内でユキと会う事ができなくなって
しまった桜井。
今更、こんな思い出を引っ張り出して何をしようって言うんだかと思う桜井。
偶然、林さんが適当に作ったキャラがユキに似ていただけかもとも思う。
桜井はそして新しいキャラクターを作るのだった。
フリドメールの世界
カンベ、Nico、モリー、は、退席中のはるみを見ながら、話をしていた。
カンベはウォーリアーはるみレベル8かー、以外と時間かかったなあーと言う。
でも二人だけでやる断然早いとモリー、良く止まるなあとNico。
そしてはるみはゲーム内に帰ってきた。
はるみは何度も落ちちゃってゴメンと言う。
そして、地名の調べ方を聞いてくる。友達がチュートリアルが終わったというので合流すると言うのだ。
モリーが答えると、すぐにその友達はやってきた。
はるみの友人はHarth(ハース)と自己紹介する。モリーはこちらこそと笑顔で答える。
それを見た桜井はこれはハースの事を知らない反応だと頭を抱え込む。
そしてそんな偶然ある訳ないと思ってしまう。
よく考えると、今は桜井として話ているので緊張してくるのだった。
モリーはHarthと一緒に歩いていた。
そしてモリーは「Harth」という名前が読めず、焦っていた。
モリーがこういうゲームはするのか聞くと、Harthはネトゲが好きだと答える。
モリーはそうなんですかーと興奮して、普段は何のゲームを?やった事あるゲームは?と詰め寄る。
Harthは今はやってないが、ナンターラサーガをやっていたと言う。
モリーはえ…と思い、その名前なんて読むのが正解なんですかとたずねる。
Harthは読みにくくてすいません、ハースですよと答える。
森子はえっ…とつぶやき、しばらくしてハース…
とつぶやき、椅子の背もたれにもたれかかるのだった。
第8話後半パートのあらすじ・ネタバレ
ため息を吐く森子。そして昔やっていたゲームの事を思い出していた。
今のゲームを始める前に森子もナンターラサーガをやっていた。
ユキは以前使っていたキャラクターの名前。いつか自分のキャラが先輩プレイヤーのハースと同じくらい強くなったら二人で組んでみたいと思っていた。
するとハースにユキと遊べれば何でもいいと言われた事を思い出し、嬉しくて画面前で悶えて居た事まで思い出してしまう。
あの頃の自分はネットの向こう側の人に恋をしていたのだと森子は思う。ゲームの中の自分(ユキ)はリアルの世界よりずっと社交的でずっと前向きだったのだ。
フリドメールの世界
はるみのキャラクターが消えていたのでNicoとカンベは、はるみが寝落ちしたのかと話をしていた。
そこへ、モリーとHarthが帰ってきた。モリーはHarthに聞き逃してしまった…と思う。
Harthはカンベ達にお礼をいう。
そしてモリーにもこんな風に一緒できるとはと、お礼を言いログアウトしてしまう。
森子は昔の事を思い出していた。
昔遊んでいたハースも自分より年下で当時は学生だった。そんな彼に毎週末、会うのが楽しみだったのだ。
森子は桜井がハースだったのではと妄想し、赤面するのだった。
そして、気をとりなおし桜井に電話をかける。
森子はナンターラサーガのユキを知っているのか聞くのだった。
桜井は知っていますよと答え、お久しぶりですユキさんと言う。
そして何度も本当なのか聞く森子。桜井は本当だと答える。
あの頃が楽しくて、あの頃が楽しかったから私は今もネトゲをしていると森子。
そしてあのゲームはないければまた一緒に遊べて楽しかったですと言うのだった。
桜井はリリィの事を言わなければ…このままで言い訳がないと思うが、森子がどう思うのか考えると言えないのだった。
桜井が言葉に詰まっていると、私ばかりテンション高くてすみませんと森子。
そして、桜井も自分にとっても宝物のような日々だったと言うのだった。
森子も同じ気持ちだと伝える。
桜井は夢じゃないかと言い、森子もこうして話せるのが夢みたいだと言う。
ユキが自分でがっかりしなかったのかと桜井に聞く。
そしてネット上の自分はリアルの自分より明るくて沢山見栄を張っていたからと森子。
なのにニートになってしまって本当は私凄く情けない…と言っているとすかさず、桜井は森子の事は情けないとは思わないし、
森子がユキだと知らない時から一生懸命な人だと知っていたと言うのだった。
そしてネットの中で嘘を付くなら俺の方が、と思い、
実は俺、リリィなんです!と言ってしまう。
森子が答えないので、不審がっていると、携帯の電池が切れていた。
通話が途中で切れてしまい、肝心な事は森子には伝わらなかったのだ。
森子は桜井にメールを送り、そのまま眠るのだった。
次の日、桜井が森子から届いたメールを見ると、どうやら桜井がリリィである事は伝わっていなかったようだった。
夜になり桜井が歩いていると、森子と偶然出会う。
桜井がちょうど、あなたに会いたいと思っていましたと言うと、森子は無理です!と答える。
森子は焦り、今、スッピンだし、こんな格好だしと言うと、ダメ押しにお腹まで鳴るのだった。
そして聞こえましたと聞くと はいと答える桜井。
甘いものは好きですか?と言い、公園のベンチで食べる事に。
森子はありがとうございます、コートやマフラーまで貸してもらってと森子。
そして大丈夫ですかと桜井に聞くと桜井はこう見えて結構着込んでいると強がるのだった。
お腹を鳴らしているのを見ると、去年のクリスマスを思い出しますねと桜井。
森子は桜井には情けない所ばかり見せていてと答えると、桜井は森子は自己評価が低い、真面目でやさしいと言うのだった。
ソレを聞き、森子はその言葉を言われるのはある人を入れて二人目でその人も良く自分を励ましてくれたと言う。
ネトゲの話でリリィといって、年下の方なんですがと森子。
自分よりしっかりしていて、自分に合わせて話してくれるのがやさしくてと言い、何でこんな話をしているだろう、
そしてその人と桜井が少し似ていて、桜井と話すと彼女の事を思い出すと言うのだった。
彼女と俺はそんなに似ていますか?と桜井。
言葉遣いのやさしい感じとか、昔ユキを励ましてくれた時と同じような気持ちになると森子はいう。
そして今度、桜井がログインする時はメインキャラでお手伝いしたいと森子。
リリィと三人で遊んでみたい、桜井とも仲良くなれると言うと、
それは無理です、絶対にと桜井は強く答える。
森子はがっくりし、忙しい桜井にこんな事を言って…と言うと
そうじゃなくてと強く言い、桜井は立ち上がり、
「俺がリリィだからです」と言うのだった。